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記者会見する経済同友会の新浪剛史代表幹事=2024年10月31日、東京都千代田区、木村裕明撮影

 石破茂政権が最低賃金の引き上げに向けて政府・労働組合・経済界の代表が集まる「政労使会議」を設けることについて、経済同友会の新浪剛史代表幹事は31日の記者会見で、大幅な引き上げの実現には「生産性を上げる仕組みが必要だ。政労使会議でそういう議論ができるのかよく分からない」とした上で、「最低賃金は経済政策の一つだ。(引き上げに向けた)政治の意思をもっと強く出していただくのがよいと思う」と述べた。

 経済同友会は10月、最低賃金を3年以内に全国加重平均で1500円に引き上げるよう石破首相に要望した。2020年代に1500円に引き上げることをめざす石破政権の目標より早いペースだ。

 要望の狙いについて新浪氏は「最低賃金が1500円になると思えば、中小企業がITやデジタル、AI(人工知能)など生産性を上げるツールを使うようになる。生産性を上げてから賃金を上げるのでなく、人手不足で賃金が上がる前提で生産性を上げる」ことにあると説明。こうした企業経営の変化を起こせるかどうかが、「潜在成長率を高め、日本経済を再生できるかどうかの試金石」だと強調し、「1500円をめざして最低賃金を上げていく機運をつくることが政労使の仕事だ」と訴えた。

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